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<BBS> <Editor's Diary>
last updated : 2004/08/30
コーヘーのパリメール
府中市出身パリ在住のコーヘーが、パリでの暮らし、今のパリの様子などを毎週届けてくれます。後半のプチ・フランス語講座もお見逃しなく!
 
From コーヘー
Date 2004年8月28日
To ヴィー・プラス編集部
Subject シャンゼリゼ
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 二ヶ月ほどまえからネパール人の友人がパリに研修に来ていたので、買い物につきあったり食事を一緒にしたりして何度か会っていたのだが、いよいよ彼が帰国することになった。前夜になって彼から電話があり、シャンゼリゼにいるから会おうと誘われる。シャンゼリゼ・・・気が進まない。観光スポットだからというわけではない。ブランド街にほど近いこの大通りには、円パワーをみせつけてこれでもかと買い物袋をもった日本人と、それとは対照的に、鮮やかな色のウィンドブレイカーにノーブランドのリュックという軽装で、凱旋門をなんとかして持ち帰ろうとカメラをぶらさげたその他の外国人観光客で昼間はごったがえしている。夜は夜で、遅くまで開いているヴァージンメガストアや、フーケなどの有名なカフェを目当てに人が集まってくる。昼同様、夜の凱旋門を写真に収めようという観光客も相変わらず多い。そうした賑やかな感じは嫌いなほうではないのだが、シャンゼリゼはあまり治安がよくない。治安がよくないだけならいいのだけど、警察や憲兵がうろちょろしている。僕が好きではないのは、この警察や憲兵たちが出す物々しい雰囲気だ。
 田舎はどうか知らないが、パリやリヨンくらいの都市になると、道を歩いているだけで悪そうな若者たちにinsulte(侮辱の言葉)を浴びせられたり、アジア人というだけでからかわれたりすることはそんなに稀ではない。シャンゼリゼにも、その派手な雰囲気につられて来て何をするでもなくたむろしている若者が結構いる。それに、スリやぺてんの類も多いようだ。この夜も、僕がキャッシュディスペンサーでお金をおろそうと自分のカードを入れようとしたら、「ノー、ノー」と横にいたスペイン人の旅行者が僕をとめた。どうやら自分のカードが吸い込まれたらしい。そうこうしているうちに、どこからか怪しげな男が現れ、カードが吸い込まれたら明日の9時まで銀行は開かないから、明日出直してきたほうがいいなどとそのスペイン人女性に言い、彼女が立ち去ると、また別の人物が現れて、先ほどの男といっしょにディスペンサーをごそごそしていた。カードを抜き取ったのかどうかまでは確認していないが、こうしたペテンは存在する。しかし、たむろする若者やスリやペテンなど、実際、大きな都市の繁華街に行けば必ずいる。治安のいい日本だって、新宿や渋谷にいけばこうしたことは起こりうることで驚くにあたらない。ただ、そうした街の猥雑さを統括し、街のゴミを一掃せんと、いかめしい制服を着て集団で歩いている鉄面皮の警官や、銃をいつでも自由にできるおもちゃのように右手に抱え左手に巨大な狩猟犬を連れている憲兵たちは少なくとも日本にはいない。華やかなだだっ広いシャンゼリゼにあってひと際目立つ彼らの姿は、必ずしも我々に安心感を与えてくれはしないのだ。

今週の表現  今週の表現

「サ・ヌ・マルシュ・パ」。キャッシュディスペンサーなどの機械が動かなかったり、物事がうまくいかなかったりした時に使う表現。「動かない」、「うまくいかない」などの意味。 は本来「歩く」という意味の動詞。逆に肯定文で (サ・マルシュ)となると、「順調だよ」とか「うまくいった」とか「動いた」とか「オッケーわかった」などの意味になる。とにかく否定文も肯定文もどちらもよく使われる表現。


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【コーヘーprofile】
パリ4区在住。府中市出身。20世紀フランス文学を研究。
コーヘー