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何か物を購入する際、何を基準に買うかということは、人それぞれ価値観が違うでしょう。最近読んだ雑誌の中から、それについて面白い記事がありましたのでご紹介します。
糸井重里さんが書かれている記事でした。皆さんもよくご存知の「通販生活」という、個性的な切り口で通信販売を行っているカタログハウス出版の季刊誌があります。その中で、「魔法瓶」について書かれていました。
話はそれますが、「魔法瓶」という名前、おさなごごろに「魔法の瓶」というなんとも甘美なひびきにしびれていたものでした。うちは魔法瓶を使う習慣がなかったので、親戚の家で見る、ペンギンのようなとがった銀色の口を持ち、丸みをおびたつやつやした赤いボディの魔法瓶に、あこがれと畏れを抱いていました。その畏れとは、熱い湯が入っているにもかかわらず、表面がクールなまま存在しているという不可解さからでした。(時は過ぎ、傾けなくても湯が出るようになり、白いボディにはポピーやカトレアの花が描かれるようになり、うちにも2台くらい存在するようにはなった頃には、もはやなんの興味もそそらないものに成り下がっていったのでした。)
そんな魔法瓶のトップを独走する「サハラ」シリーズの超優れものを糸井さんはその機能を絶賛して購入されたそうです。すばらしい保温力、手入れのしやすさ、なにをとっても秀でている。家では魔法瓶愛好者の樋口可南子さんという同居人が、きっと絶賛して迎えてくれるだろうと思っていたところ…。何と彼女は全く見向きもしなかった。その存在自体がないもののように全く目にも入らないようだ…云々…。そうして彼女は相変わらず、湯はすぐ冷めてしまうが、それをガスで温めなおすのを全く厭わない性格で、やはりお気に入りの籐がおなかに巻きつけてあるレトロな魔法瓶を抱えて暮らしているそうで…。
このくだりを読んで、ほんとだ、ほんとだ、と思いました。世の中にどんな便利で機能的なものができたとしても、「美しくなければ使いたくない」ということ、いろんなメーカーのひとにわかって欲しい。…国産の家電ってどうしてあんなにかわいくないの?(高機能になったエアコンなんかも、最近特に超宇宙的だと思いませんか???)
国際的な建築家安藤忠雄さんの住宅作品の中に、部屋から部屋に移動するために、一度外に出なければならないという家があります。つまり、雨がふっていたら傘をさしていくのです。それを「不便だと感じる心」より、季節の移ろいや自然をそのまま受け入れる「生かされている自分を感じる心」をその家は教えてくれます。(住人の方が本当に楽しんで住んでいるかどうかは、ぜひ聞いてみたいところ。)
機能とデザインは古いテーマです。しかし解決のつかないものです。それだけにしっかりと自分の感性を磨き、自分を満足させてくれるものを持ちたいものです。
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□関連リンク>> 「通販生活」のカタログハウス
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