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ここここ。このビルの8階ね。
緊張するなぁ。なんか面接に行くみたいだ。
でも、ナカツハマさんてどんな人だろう?
「あ、お待ちしてました。ナカツハマです。よろしくお願いします。」
「あっ、サクラ子です。よろしくお願いします。」
ウワァ〜、ナカツハマさんてビッジ〜ン!
「真由美さんのお友達なんですよね?真由美さん頑張っていらっしゃいますよ。よくやっていただけてるって派遣先の方からもほめていただいて・・・。」
ヘェ〜、真由美、評判いいじゃん!
「早速ですがサクラ子さん、派遣スタッフと正社員との違いはおわかりですか?」
「エーッ、突然言われても・・・。あっ、お給料が違うんですか?」
「(笑)いえいえ、そういうことじゃなくって・・・。ひとことでいえば、派遣スタッフと正社員では雇用主が違うんです。もしサクラ子さんがわが社に登録されてA社に派遣された場合、A社の正社員さんはA社に雇われていますが、派遣されているサクラ子さんは、我が社に雇われているんです。派遣スタッフの雇用主は派遣会社になるんです。」
「ウ〜ン。」
「でも実際にサクラ子さんが仕事をする場所はA社であり、具体的な仕事の指示を出すのもA社の方なんですよね。つまり、雇用主と同一の会社の人が仕事の指示をするのが正社員で、それが異なるのが派遣スタッフということになるんです。」
「なるほど・・・」
「これ、基本的なことですが大事なことなんです。では、派遣のシステムについてご説明させていただきますね。派遣スタッフとして働きたい方は、まず登録をしていただきます。登録の際には、今までどんなお仕事をされてきたか、どんな仕事のスキルをお持ちなのかとか、また希望条件などもお聞きしていきます。その上で、その方のスキルや条件に合った企業からお仕事の依頼があれば、それをご案内させていだきます。そして、ご了解いただければ実際に派遣スタッフとしてその企業で働いていただくようになります。」
「せっかく言っていただいたお仕事をお断りすることもできるんですか?」
「ハイ、それはかまいません。」
「でも、それで登録が抹消されたり、次のお仕事が来なかったりすることはないんですか?」
「そんなことはありませんから安心してください。でも、たびたびそういうことがないように、こちらもお断りされる理由をおうかがいして、できるだけ条件に合うお仕事をご案内するようにします。」
「じゃあ、あんまり高い条件を言ってたらお仕事が来なくなりますね。」
「そうですね、希望条件はどんどん言っていただいていいんですが、妥協できる部分を持っていてくださると、よりお仕事をご紹介できると思うんですよ。」
「どんなお仕事の依頼が多いんですか?」
「やはり事務職が多いですね。一般事務、営業事務、経理事務。その他にも、営業や販売、受付、それに研究開発や貿易実務、パソコンのインストラクター、グラフィックデザインなどの専門的なお仕事まで多種多様ですね。」
「グラフィックデザインか・・・。いいなぁ、前から興味あったんですよね。」
「サクラ子さんはデザイン関係のお仕事の経験は?」
「まったくありません。ただ、絵を描くのが好きなので・・・。」
「そうですか・・・。派遣スタッフに求められるものは即戦力なんですよ。ですから、今までそういうお仕事の経験がないと、ご紹介は難しいですね。」
「そっかー。新入社員だったらなぁんにも知らなくても許されるけど、派遣スタッフはそうはいかないんですね。すぐその場で仕事ができなきゃいけないんだ・・・。ワタシ大丈夫かなぁ・・・なんかちょっと不安になってきた・・・。」
「大丈夫ですよ。研修制度がありますから、例えばパソコンは使ったことはあるけどイマイチ自信がないわ、なんて方は事前にOA関係の講座が受けていただいてスキルアップしていただくことができますよ。」
「ヘェ〜、そんな研修があるんだ。よかったぁ〜。」
「ところでところで、ナカツハマさん。もうちょっと聞いてみたいことがあるんですけど・・・。」
すっかりナカツハマさんと仲良しになったサクラ子。まだまだ質問は続きます。
illustration: yuri karasugo
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