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『 海 』
私はこう見えても小学生までは瀬戸内海の小さな島で育った…と先月も書いた。その島には海水浴場と呼ばれるようなオシャレな海岸はなかったけど、夏休みになると島の子ども達は思い思いの場所で朝から晩まで泳いでいた。上級者が集まる飛び込みにはもってこいの堤防、中級者が腕試しできる波止場。私がよく泳いでいたのは「ながめ」と呼ばれていたなだらかな海岸。おそらく眺めがいいからそう呼ばれていたんだと思う。もちろん初級者用。白い灯台と砂浜、青い海のコントラストが美しい海岸だった。そこで夕方まで唇が真っ青になるまで泳ぎ続け、帰ったら駄菓子屋で菓子パンを買って食べるのが日課だった。腹ぺこのお腹には最高のごちそうだった。その味は今でも忘れられない。夏休みが終わる頃には当然みんな真っ黒。その頃私は白と紺の縦縞の水着を着ていて、まるでシマウマのように黒いストライプがカラダにくっきりついてしまったのを懐かしく思い出す。
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